雨と祭りと花火の音 |
●K's day-01…………朝から雨が降ってる 窓をあけて顔を外へ突出した姫が 「降ってる……なぁ…」 つぶやくように言った。 村は朝から雨が降っていた。 そして暑からず寒からずと微妙な気温でもあった。 ●K's day-02…………祭りの気配もない 雨が止んで祭り囃子でも聞こえてくるのかと思ったら ずぅ~と静かだった。 祭りは…中止かな? 姫が作ってくれた肉野菜炒めの残りに インスタントのカップ焼きそばを入れて かき混ぜて食べた。 酒の肴と昼飯代わりだ。 けっこうなボリュームだった。 昼寝の後起き出すと 姫が帰ってきてた。 「ちょうど解けていい感じだから食べて」と 割り箸にさしたカットパイナップルをふたつ僕にくれた。 ひとつ包装されたものを開封して食べた。 美味しかったけれど 「もう一個食べていいよ…まだあるから」 っていうか…1本で沢山だ。 そんなに食べれるもんじゃないだろう。 料理が出来上がって 食卓に並べて座った姫は発泡酒のリングプルをあけて コップに注ぎ飲みはじめた。 「さぁ…食べて」と言うけれど パイナップルがお腹に入ってて食欲がわかない。 逆に眠くなって来たので ひとり昼酌する姫を横目に寝室のベッドへ向かった。 ●K's day-03…………花火の音がする どどん!どどど~ん!どどどどん! 花火の音で目が覚めた。 レースのカーテン越しに南のほうを見たら 大きな建物の上に小さく花火が咲いていた、 きれいだなぁ……って素直に思った。 やっぱり花火は小さくても生でなくっちゃ! 起き出して居間へいくと姫の姿が無かった。 てっきりベランダに出てみてるんだと思い トイレに入って居間へ戻る途中玄関ドアを見たらチェーンがかけてなかったので チェーンをかけた。姫はけっこうな確率でチェーンをかけない。 居間に戻ってテレビをつけたら 玄関ブザーがけたたましく鳴って ドアがガンガン!叩かれた。 チェーンをはずすと 「なんでチェーンするのよ!」って怒ってた。 おいおいおい 「ベランダにいるかと思ったんだよ」 「外に出たに決まってるじゃない!」 知らね~よそんなこと!まったく! 彼女の手にはスーパーのビニール袋が下がってる。 また…買って来たのか? 「抽選会でねぇ……」姫はひとりでしゃべり続けてる。 窓の外の向こうでは 夜空に花火が綺麗に咲きまくってた。 それからしばらくして彼女のテンションは平常になったけれど 僕はなんで怒られたのかもわからずに平常になることはなく その後はほとんど口をきかなかった。 2017.7.30-日曜日 |
by 77wings
| 2017-07-31 13:17
| 風の戯言
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Comments(4)
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オレンジピール
at 2017-07-31 17:01
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自治会と商店街がケンカした夏祭りから、あっという間に一年たちましたね。
我家の前の百日紅は、木蓮の緑で今まで全然見えませんでしたが、木蓮が枯れて葉っぱがなくなったので、窓からよく見えるようになりました。 喜ぶべきか、悲しむべきか。
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77wings at 2017-08-01 16:18
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オレンジピール
at 2017-08-03 13:08
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「月日のたつのは早いもの」
これは年寄りの感覚だったのね。 村の渡しの船頭さんは 今年60のお爺さん、なんてね。 今時、60歳をお爺さんとは言わないけれど、今でも60位になるとあっという間に一年が過ぎると感じます。
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77wings at 2017-08-04 13:18
むかし60歳というと
見事なお爺ちゃんおばあちゃんだったけれど 自分がなってみると60はまだまだ小僧だなって思いました。 一年が早く感じるようになったのは 歳のせいもあるけれど 東北地震を体験してからな気がしてなりません。 |
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