室町撩乱 |
「室町撩乱~義満と世阿弥と吉野の姫君~」 阿部暁子/著 集英社文庫 《from Book date bace》 京と吉野に二人の帝が存在した、南北朝の時代。 南朝の帝の妹宮・透子は、北朝に寝返った武士・楠木正儀を 連れ戻すべく、乳母と二人きり、吉野から京へと乗り込む。 京についたとたん人買いに攫われてしまった二人を救ってくれたのは、 猿楽師の美少年・世阿弥と、透子たちの宿敵である足利義満で…。 世間知らずの姫君が混迷する時代の中で見たものは。 瑞々しい筆致で描く書き下ろし時代小説。 《読み終えて》 いやぁ~~!面白かった! 最初はアニメ的な内容かな?と 買った事を後悔してて 時代劇だし、しかも疎い平安時代だしなぁ~! って思ってたんだけど 読み出したら面白くって止らなかった! 登場人物達のそれぞれのキャラが際立ってるし 無駄もソツもなく南朝の帝の妹宮・透子をはじめ みんながみんな魅力的揃いなんだよ。 殺陣やアクションや強者達の描き方とかが 凄くって女性が書いたって気が全然しなかった。 読み終えてカバーをはずして表紙のデザインを見たら あれ? こんなデザインだったっけ? なるほど可愛いけれどアニメチックなイラストだから それが何処かに頭に入ってて 内容もアニメ的な内容かな?って思ったんだね。 朧げに足利尊やら後醍醐天皇やらのネーミングで 平安のイメージはあるんだけれど なんせ学校の勉強は国語以外全滅に近いくらい僕は出来なかったから 時代小説とかで遅ればせながら勉強させてもらってる感じだもんね。 やっぱり学校の授業とかは先生のキャラによるよ。 面白そう!とかワクワクして勉強がしたくなるのって 学校の先生が面白く導いてくれなかったらどうしようもないもんね。 だって先生って言うのは勉学の水先案内人なんだから。 中学のときの英語の先生何て最悪だったもんね。 おっと…横道にそれた^^。 とにかくこの本に余計な説明とかは必要ない。 楽しい悲しいせつない面白い。 濃厚ながら非情に読みやすい。 南北朝の時代で敵対する京と吉野に存在する 2つの帝の争いなのだけれど ある意味悪人はひとりも登場しない(あ…人買いは出て来るか^^) なんだか…吉川英治の宮本武蔵とかを読んでたときの 心地よい感覚を思い出したんだ。 なんとも敵味方関係なく誰もが自分たちの世界や人や民を愛して その為に命をかけている悪いヤツなんていないんだ! 作者はきっとそんな思いでこの本を書いてるような気がしてならない。 なんか…読み終えたら 登場人物達と別れてしまうような感じでさみしくなったなぁ。 なんか…続編が出ても可笑しくないようなエンディングだったし。 とにかく100%面白かった! 久々に読み応えのある充実感を感じたよ。 あくまでも…僕はね^^ 2018.3.19-火曜日-帰路-読了。 |
by 77wings
| 2018-03-22 07:49
| 風の本
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